つまみかんざしについて

和服を引き立ているつまみかんざしとは?

かんざしは、日本髪に挿す女性の髪飾りです。その歴史は古く、縄文時代からかんざしが使われていたといわれています。当事は呪術的なアイテムとして使われていましたが、奈良時代になって中国文化が伝わると、次第に装身具として使われるようになりました。平安時代の女性は髪を結わずにストレートのロングヘアーにしていましたからかんざしの文化は一時廃れますが、安土桃山時代から女性が日本髪を結うようになり、江戸時代にかんざしの文化が大きく花開きました。かんざしにはさまざまな種類がありますが、つまみかんざしもその一つです。

つまみかんざしとは、小さな布を折りたたんで竹で作られたピンセットのようなものでつまむという細かな作業によって、布製の花を幾つも重ねて作られるかんざしです。七五三で女の子が晴れ着を着るときに、髪に飾るかんざしといえば、おわかりになるでしょうか。とても愛らしく華やかなもので、髪にさすと花が藤の花のように垂れて、動くたびに揺れるため可憐な印象を強めてくれます。

花かんざしに使われる布は羽二重と呼ばれる絹です。昔の職人さんは真っ白い絹を自分で染めて、独自の色合いの花かんざしを作っていました。色とりどりに染められた羽二重を小さくカットし、花を作っていきます。一つ一つの花はとても小さく、細かな作業と職人技が必要な伝統工芸品です。

現在は七五三のほか、成人式や結婚式、正月などで振り袖を着るときに合わせたり、舞妓さんが付けたりしています。このことからわかるように、少女や独身女性など向けのかんざしとして知られています。

四季の移ろいをかんざしに集約する日本が誇る伝統工芸

つまみかんざしの魅力は、繊細な手作業から生まれる可憐な風情です。かんざしは日本以外の国にもあります。木や金属など、さまざまな素材が使われていますが、布を小さく切って細かな細工を施したはなかんざしは、日本独自のものです。

花鳥風月を愛する日本のかんざしらしく、モチーフは花を中心に鳥などが取り入れられており、四季を大切にしたデザインが特徴となっています。華やかでありながら、ためいきが出るほど繊細なはなかんざしは、日本美を粋を集めた装飾品ともいえるでしょう。

花かんざしは大きく分けて前挿し、横挿し、楠玉、花櫛、平打ちの5つの種類があります。

前挿しとは、前髪に挿す大きなかんざしで、勝山と呼ばれることもあります。横挿しは、最もポピュラーなつまみかんざしで、七五三などでよく見かけるかんざしです。楠玉は、名前の通り楠玉のような丸い形をしており、飾りに長い房がついています。花櫛は木で作られた櫛を、つまみ細工で飾ったものです。平打ちは丸くて平ら形をしており、花櫛とセットで使います。

現在、はなかんざしを作る職人さんは10人しかいないのだとか。はなかんざしについて知りたい方は、東京都新宿区高田馬場にあるつまみかんざし博物館に足を運んでみてはいかがでしょうか。