日本の行事・記念日の歴史や過ごし方をまとめました!

沖縄で重んじられる旧盆

沖縄では旧暦で行事をする

旧暦で行事を行うのは、中国だけではありません。
独自の伝統文化や風習を築いてきた沖縄でもまた、旧暦に従って行事を行う風習があります。
沖縄の旧盆は7月15日前後で、この時期には先祖があの世から戻ってくるために迎え入れる行事を行うのです。
イメージとしては、中国のお盆と日本のお盆を融合させた結果、沖縄独自の風習となったと考えると分かりやすいかもしれません。

お盆という考え方は、日本と中国とで大きく異なります。
日本の場合には、お盆には先祖が返ってくるから御馳走を作って迎え入れたり、先祖が迷うことなく返ってこれるように火を灯したりします。
地域によってどんな迎え方をするかは異なりますが、これらは日本に伝わる先祖崇拝の考え方に基づいています。
沖縄の旧盆ではこの考え方を受け入れており、お盆の初日には迎え火を焚き、先祖が返ってきやすい環境を整えます。

旧盆で何をする?

沖縄の旧盆には、先祖を受け入れるための行事があります。
例えば、ウンケーと呼ばれる盆飾りを作り、仏壇を豪華に飾ります。
仏壇にはウンケー以外にもフルーツや料理を備えますが、沖縄ではこの作業はウンケージューシーと呼んでいます。

ジューシーというのは、沖縄では雑炊のことで炊き込みごはん的なものを表しています。
沖縄は古くからお米は貴重な食品で、戦前までは庶民が口にできない高級な食べ物でした。
そのため、お米にたくさんの水を入れてカサを増し雑炊としていただく食文化が育ったのです。
現在でも、旧盆には雑炊を仏壇に飾る家庭は少なくありません。

仏壇のそばには、ミンヌクーと呼ばれる小さな器も置きます。
仏教においては、死後に転生輪廻する際、欲が強すぎる人は施餓鬼に進むと考えられています。
そうならないように魂を救って餓鬼から救おうという役目を、このミンヌクーがしてくれます。
具体的に何をするかというと、ご先祖様のためにお供えする料理を少しだけ施餓鬼のために別の器へ取って近くにお供えする、ということを行います。

エイサーとは?

沖縄を代表する民族芸能と言っても過言ではないエイサーは、一言で言えば沖縄の盆踊りという位置づけとなります。
沖縄で誕生したものですが、現在では全国各地にエイサーを新興する団体があり、季節に関係なく普及活動が行われています。

エイサーに関しては、沖縄の王宮時代からの記録などはありません。
そのため王宮時代に発展したものではなく、沖縄が日本に返還された戦後になって誕生したものではないかという説が有力です。
日本の伝統文化の一つである盆踊りが沖縄にわたり、エイサーとして独自の文化になったと考える人もたくさんいます。

しかし17世紀に係れた書物の中には、エイサーのルーツとなった念仏についての記録もあり、どこが正確な起源となったのかは現在でも謎です。
はっきりとした始まりは分かりませんが、沖縄の代表的な踊りがエイサーであることは間違いありません。