年越し蕎麦
大晦日に家族みんなで蕎麦を食べる風習
年越しそばは12月31日の夜に家族など大勢で一緒に蕎麦を食べ、新年の健康を願うという習慣です。
なぜ「蕎麦」なのかということについては比較的よく知られており、「細く長く」という意味で家内安全と健康長寿を願うことができる縁起物となっています。
そもそもどうして大晦日に蕎麦を食べるようになったのかということを探ってみると、起源は江戸時代にまでさかのぼります。
蕎麦という食べ物そのものは日本国内で幅広く栽培をされてきており、庶民の食事としても多く使用されていました。
蕎麦文化はもともと現在の長野県である信州地域で広く行われてきたもので、これが江戸への流通経路を確保することにより一気に関東県全体の文化として定着しました。
江戸時代では多くの蕎麦屋さんがあったということもまた年越し蕎麦という風習を作り出す一つの要因になったようです。
普段からよく食べているお蕎麦を縁起物として食べるようになったことで自然に広がっていったというまさに民間で発生した文化といえるでしょう。
健康効果の高さにも注目の蕎麦
蕎麦という食品は健康効果が高いということでも大きな注目を受けています。
細く長くという縁起物として健康を願う蕎麦ですが、食べることで実際に健康によい影響を受けることができるのです。
蕎麦の健康効果のもとになっているのはそば粉に含まれている「ルチン」と呼ばれる成分で、これは人の血管の壁を強める働きがあることがわかっています。
高血圧と診断された人が食事療法として蕎麦をすすめられることもあるほどで、食べることで体を流れる血液循環全体をよい状態にしていくことができます。
このルチンは蕎麦をゆでたあとにもしっかり残っているため、安心して食べることができるというのもまた蕎麦という食品の優れた点です。
大晦日に蕎麦を食べる人はなんと日本国内の約50%にも上るとも言われています。
ほとんどの人は夕ご飯を食べたあとに夜更かしをしながら年が明ける少し前に食べるというふうにしているようですが、年越しそばとして食べる場合には特に何時に食べるのがよいということはないようです。
蕎麦でなくうどんではだめなのか?という疑問もちょっと感じるところですが、それも別に絶対に蕎麦でないといけないという根拠はないようです。
沖縄ではそば粉を使ったお蕎麦ではなく、地元でよく食べられる沖縄そばを年越しそばにしています。