書道
教育の中でも重要な位置を占める書道
文字を書くというのは、単なるコミュニケーションの手段の1つではありますが、日本では重要な教育の一環と見なされています。
そのため、学校では単純に字を覚えるだけでなく、いかに文字を美しく書けるかを教えますし、多くの親も子どもたちを書道教室などに通わせて美しい字を習得するように助けます。
そして、きれいな字を書けることは教育がある、そしてしっかりとした人柄の持ち主であるという見方さえされるようになっています。
それだけ日本人にとっては、字を書く、書道というのは大事な文化であり、教育の大事な一面でもあるのです。
書道が発展してきた歴史
文字が日本に入って来たのは、紀元285年頃、中国からだとされています。
もちろん、この時期には漢字しかなく、貴族など一部の限られた人だけが読み書きをできるという状況でした。
その後、やはり中国を経由して仏教が伝わり、仏教の教えを説くお経を写すという習慣が広がっていきました。
この写経が書道の基礎になったと考えられています。
中国から伝わった経典の中には、美術品としても大変価値が高いほど美しい文字を使ったものが多く、一気に書道の文化と技術が発展していきました。
最初は、中国からの経典を写す、模倣するという形が一般的でしたが、次第に日本独自の書道が生まれ、徐々に優雅さを極めていきます。
その日本書道の文化が発展する過程の中で、漢字を基にしたかなが生まれたのです。
こうして、現代につながる文字が誕生し、中国とは異なる別の書道、文字体系が発展しました。
いくつかのタイプを持つ書道
現在の書道はいろいろなタイプを持つようになりました。
まず、中国では流れるような滑らかな文字が一般に好まれますが、日本ではいわゆるお手本となる書道は、文字の形がきれいに残された堅実な雰囲気の字が好まれます。
また、文字そのものの美しさを求めるだけでなく、文字になんらかのシンボルや意味合いを込め、独自の変化を加えたスタイルも現代においては多くなっています。
中国から伝わった漢字がひらがなへ変化していったように、書体の変化も見られるようになりました。
一般的に、5つの書体が見られ、それぞれで独自の書道文化が花開いています。
印鑑の文字のような古来の文字である篆書や、隷書、日本で一般に用いられる楷書、楷書を崩した草書や行書があります。
どの書体も、その美しさが追求され、子どもたちのための書道教室から、プロの書家と呼ばれる人に至るまで、多くの人が研究と練習を重ねています。
字を美しく書くというのは、自分を美しく見せる手段の1つでもあると言われるほど大事なものですので、書道の歴史にも思いを向けて、字の美しさを手に入れることに挑戦してみるのも良いでしょう。