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お寺

仏教の教えをつなぐ写経

写経とは、仏教の経典を写していくというものです。
単なる習字や作業などではなく、仏教の教えを習得するもの、他の人につないでいくものとして大事な意味合いを持っています。
また、経典への敬意の表れとして、仏教の中でも大事な行いとして扱われています。

朝鮮や中国を経由して日本に伝わった仏教ですが、その最初期から経典を仏僧が写すという習慣があり、写経は大変伝統のある文化であり、宗教行為の1つともなっています。
もちろん、1つの教養としてとらえ、仏の心を学び、美しい字を学ぶための手段として行う人も多くいます。

奈良時代から続くと言われる写経

日本には存在しなかった仏教の教えが大陸から伝わると、その教えを学ぶための経典が必要となりました。
そのため、大量の経典が朝鮮などから入ってきます。
そんな中、日本全国の仏教の教えを広めようと、奈良時代に経典を写す作業をするようになりました。

しっかりとした教えを広範囲に広めるため、写経のための特別な場所と機会が与えられ、1つの国家的事業となったのです。
そこで、日本における写経の基礎が据えられ、日本全国に広まっていきました。
後に、仏教の中でもいくつもの宗派が生まれていくことになりますが、どの宗派においても写経は大事な要素と見られ、仏僧は当然のこと読み書きができる民衆も行っていました。

現代における写経

歴史の中で写経は、仏教の教えを広く伝えるために必要とされてきたものですが、現代でもしっかりとその文化が残っています。
写経をする目的は、人それぞれ異なることもありますが、やはり仏教の教えを反復しながら経典を写すことで、清々しい心を持ち、心を整えるというのが主なものでしょう。

また、集中して取り組むことで雑念を払い、特別な時間を作ることができると感じる人もいます。
さらに、お手本となる経典は、芸術的とさえ言える美しい文字を収めていますので、美しい文字の習得のために行う人も少なくありません。

写経をするにあたっては、仏教の教えを学ぶという真摯な態度を持って、正座し一つ一つの文字に集中して写していくという姿勢が欠かせません。
そうすることで、心安らかな時間を持てますし、仏の心を自分に投影することができるようになるのです。

写経用の道具も販売されていて、専用の用紙もあります。
毛筆で書くのが普通ですので、好みに合わせて筆や硯を用意すると良いでしょう。

手本となる写経はたくさんの種類がありますが、一般に人気があるのは般若心経で、簡単に入手できます。
なぞって書けるタイプのものも、完全に手本を参考にして写すだけのものもありますので、レベルに応じて自分のできるものを選んでみましょう。