春分の日
昼と夜の長さが同じになる日
春分の日は3月21日か、年によってはその前後に当たり、この日は天文学上節目となる日で、一年のうちでも重要です。
というのも、春分の日に、昼と夜の時間が等しくなり、この日を境にどんどん日が伸びていくからです。
日が多くなり春が始まる時とも言えるでしょう。
こうした季節の変わり目ということもあり、春分の日は日本だけでなく世界中で、自然に感謝する特別な日として扱われています。
特に農耕民族にとっては、太陽の恵みを存分に味わえる季節がやってきますので、太陽を始めとする自然の神様に感謝と、良い天候を求める祈願の儀式が世界中でなされます。
このように、春分の日は天文学的な見地から、季節の変わり目に感謝をするという機会になっています。
暖かくなる時期でもあり、人々も気持ちが高揚して浮き浮きする季節ですので、自然と楽しくこの日を過ごそうと気持ちになれます。
先祖への感謝を示し供養する日でもある
農耕と関連して感謝と祈願をする日でもある春分の日ですが、日本では他の重要な意義も持っています。
それは、先祖への感謝を申し上げ、ねんごろに供養をするという機会として、春分の日を特別視しているのです。
そのため、この季節はお彼岸とも呼ばれ、多くの人がお墓参りをします。
なぜこの日、もしくはこの時期にお墓参りをするかというと、ここにも太陽の周期が関係しています。
春分の日は、前述の通り、昼間と夜の時間が等しくなる日に当たります。
一方、古来の考えでは、東、つまり太陽が昇る方向は現世界であり、太陽が沈む西の方向は、死者が眠る世界であるとされています。
春分の日は、昼と夜が等しくなる、つまり一年のうちで最も、現世と死者の世界が近づくということになり、より先祖とコミュニケーションが取りやすくなるというわけです。
そのため、この日は先祖に感謝をするのにふさわしい日として取り分けられているのです。
春分の日に行う習慣
こうした宗教的な意味合いもあり、春分の日は日本全国には先祖を思い返す様々な習慣があります。
最もポピュラーなものとしては、先祖代々の墓へお参りをするというものでしょう。
休日に定められていることもあり、この時期はお寺を中心にたくさんの墓参りの人の姿が見られます。
また、お彼岸の時期にはぼたもちを食べる習慣もあります。
もともと死者に供える食べ物として生まれたものですし、古代、小豆は悪い霊を払う力があるとも信じられていましたので、家の安泰を願う気持ちも込められています。
このように、春分の日を祝うことには様々な意味があります。
日本だけでなく世界中でもこの日は何らかの民族的もしくは宗教的な意味合いを持つ日としているところが多いので、一年のうちでも特別な日と言えるでしょう。