日本の行事・記念日の歴史や過ごし方をまとめました!

鱗(うろこ)

魚の鱗のような模様が特徴の鱗文様

入れ替わり文様とも呼ばれる鱗のような模様が特徴の和柄が鱗文様です。
正三角形か二等辺三角形が上下左右に連続して同じ方向に並んでおり、規則正しい美しい模様を作り挙げています。
上下の三角形で色を変えてデザインすることが多く、片方を白、片方を黒のように色合いを変えることで、それぞれの三角形の模様を引き立たせる紋様です。

魚の鱗の字が使われていますが元々は蛇に関する伝承が由来とされており、日本では北条氏の家紋としても使われています。
また鱗文様のように規則正しく並べられた幾何学模様は古来日本だけではなく西アジアやギリシアなど各国でも用いられていました。

いずれも美しく伝統的な文様として古くから親しまれており、日本では弥生時代まで遡るほど。
世界各国で歴史を紡いできたと言っても過言では無い模様です。

厄除けの文様としても使われていた

鱗文様は鋸歯文とも呼ばれており、死者を悪霊から守る働きがあるとされていました。
霊的な者を寄せ付けず持ち主を守る働きがあることから呪術的効果を持つ鏡に刻まれていた他、女性の心のうちに住む鬼を戒めることを目的に使われていたことでも有名です。
元々は死者を送る際に頭につける三角の紙冠がデザインのルーツとされていましたが、それだけ古くから悪しきものから身を守る目的で使われていたデザインと言えるでしょう。

そんなスピリチュアルな柄としても親しまれてきた鱗文様ですが、現在ではあくまでファッションの一部として定着。
シンプルなデザインでありながら工夫がしやすいからこそ、洋服やパンツなど洋風のアイテムにも取り入れられており、原宿系ファッションのような独創性が強いアイテムにも使われています。
モノトーンでカラーリングするだけではなく色とりどりに組み合わせても楽しめますので、小物類にも度々使われている和柄です。

鱗文様は入れ墨として使われていた時代も

鱗文様は竜蛇信仰とも結びついていることから、その昔船乗り達が海難避けに竜蛇の入れ墨をしていたことでも有名です。
今でこそあくまで伝承の一部ではありますが、タトゥーとしてこちらの柄を入れる外国人も増えており、粋な模様として世界各国に親しまれています。

和柄と言えども古風すぎないファッショナブルなデザイン性が魅力の柄だからこそ、国内外を問わずに親しまれていると言えるでしょう。
元々スピリチュアル要素も強い文様であることから、霊的な物から身を守る目的でこの柄を入れた品物を送る地域も少なくありません。
遡ること弥生時代にまでルーツがある、古きに渡り受け継がれ続けたオシャレな和柄の1つとして、今後も多くの方に使われるでしょう。