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芋の名月とも言われる「十五夜」

満月

芋の名月とも言われた十五夜

9月の7日頃から10月の8日辺りの満月の夜を十五夜と言います。
または、中秋の名月とも言われるようですが、9月に収穫される芋をお供えすることから、芋の名月とも言われたようです。

現在では、芋ではなく、満月のように丸いお月見団子と魔除けになるというススキをお供えするのが一般的な「お月見スタイル」または[十五夜スタイル」になっていますが、地方によっても多少の違いがあるようです。
お団子やお供え物が違うということも、あります。
関西では、里いものような形のお団子にあんこをつけるようですし、お団子の他にも野菜や果物を供えるという地方もあるようです。

豊作とも関係の深い十五夜

1872年くらいまでは、農民にとって、月は作物を作る上で欠かせない存在でした。
たとえば、月の満ち欠けで今がどんな季節なのか、作物をどのようにすれば良いかを判断していたのです。
そのようにして、月を見ていて農民たちはまんまるの満月の時に豊作を祈るという習慣ができたのでしょう。
そのために、まんまるのお月様である満月の十五夜の夜は、豊作を祈る祭りが行われました。

その一方で、優雅に中秋の名月を鑑賞するというスタイルは、唐からの影響でした。
平安貴族から、その真似事が始まり、だんだんと武士に伝わり、庶民の間に広がって行ったのでしょう。
その行きついた先が、現在のお月見です。

今でも昔からの風習が残っている

今でも十五夜のお月見という昔からの風習は残っています。
地方による特色は面白いところでしょう。
地方のお月見のエピソードをご紹介しましょう。

たとえば、長崎県五島列島の「まんだかな」です。
お供えが終わると、子供たちがお供え物を全て持っていくという風習になります。
お供え物をもらえるということで、子供たちは楽しいかもしれません。

秋田県では、仙北部で残っている風習があります。
それは、「片足御免」という風習です。

よその人の土地に、片足を踏み込んで物をとるのを許すという風習です。
この十五夜だから、お月様が許して下さるという意味がある風習なので、お月様の懐の深さを物語っているようで微笑ましいものでしょう。
十五夜なので、めでたいという意味もあるようです。

そして、お供えする月見団子も地方によっていろいろあります。
一般的なものは、丸くて白いシンプルなお団子で、それに黒蜜やきな粉などを付けて頂くものです。
家庭での手作りもわりと簡単にできますが、最近ではスーパーなどで、すべてそろった「月見団子」が売っています。

子供と一緒に手作りをするのも楽しいでしょうが、仕事等で忙しい人はこのように簡単にできるものを買って、お供えするのも良いでしょう。
その際は、子供に十五夜の話をしてあげてください。