浮世絵

日本独自の描画手法による芸術作品

浮世絵は江戸時代に花ひらいた日本独自の文化を象徴する芸術作品です。
海外からも高い評価を受けており、日本文化を紹介するときには必ずといってよいほど浮世絵が掲示されています。

日本国内では浮世絵以前にも絵画の文化はあったのですが、それまでは職人である絵師が一枚ずつ仕上げていくというものだったため、一般の人が気軽に楽しめるものではありませんでした。
それが江戸時代に入り木版画の技術が確立したことにより、有名な絵画を簡単に複製することができるようになりました。

江戸時代で浮世絵の発展に大きく貢献したのは菱川師宣です。
現在もその業績を伝えるための「菱川師宣記念館」が千葉県の安房郡鋸南町吉浜にあります。

ちなみに安房郡鋸南町は菱川師宣生誕の地であり、のちに江戸に上って活躍をしていくことになるものの生涯に渡って愛し続けた故郷であると言われています。

浮世絵文化のもとになったのは菱川師宣が作った絵本用の木版画でした。
それまでは文字が中心であった書籍において、菱川師宣は絵の割合を多くした絵本として製作をしたことで江戸の庶民たちの人気を得ることになりました。

その後観賞用の絵画として木版摺の一枚絵を手がけるっようになり、そこから絵画作品を大衆文化として発表するという方法が多くの絵師たちによって広められていきました。

江戸時代の庶民文化を写したところも特長

浮世絵が世界的に注目を集めている理由は独自の絵画手法だけではありません。
江戸時代は庶民による文化が大きく花開いた時期であり、いきいきと生活をする庶民たちの姿は過去どの時代にもなかったような文化レベルの高さがあります。

浮世絵は「浮世=俗世」という意味が示すように、高尚な宗教芸術とは異なる庶民のありのままの姿を写したところがポイントになっています。

菱川師宣の代表作には歌舞伎座の俳優や吉原遊郭で働く女性などが題材になっており、単純な絵画手法の優秀さだけにとどまらない人間社会を見守る優しい視点が感じられます。

最も有名な作品が「見返り美人図」ですが、これも春画のような直接的な表現に頼らない日常生活の中にあるほんの一瞬の美しさをうまくとらえた優れた作品です。

外国人によってその価値が再確認されました

大量生産が可能になったことで一般庶民にも知られるようになった浮世絵ですが、その半面で簡単に手に入るようになったことにより一枚の絵に対する価値が見落とされることになりました。

現存している浮世絵作品のうち3/4は海外の収集家の手元にあり、浮世絵の持つ芸術性の高さは国内よりもむしろ海外で評価されるようになったことで確立したと言ってもいいでしょう。